防災用品の点検をしていて、賞味期限が3か月過ぎた缶詰やアルファ米を発見。「もう食べられないの? 全部捨てるのはもったいない……」
備蓄あるあるの筆頭がこの悩みです。結論からいうと、期限の種類によって考え方がまったく違います。捨てる前に、まず表示を確認しましょう。
「賞味期限」と「消費期限」は別物
食品の期限表示には2種類あります。
- 消費期限: 弁当、調理パン、生菓子など、品質が急速に劣化しやすい食品に表示される「安全に食べられる期限」。過ぎたものは食べないのが原則です。
- 賞味期限: 缶詰、レトルト、スナック菓子、ペットボトル飲料など、比較的傷みにくい食品に表示される「おいしく食べられる期限」。
そして重要なのは、消費者庁などの解説にあるとおり、賞味期限は過ぎたらすぐに食べられなくなるという意味ではない、という点です。非常食や備蓄食品のほとんど(缶詰・アルファ米・レトルト・保存水)に付いているのは「賞味期限」のほうです。
賞味期限切れの備蓄食品、どう判断する?
賞味期限が過ぎた食品を食べられるかどうかは、最終的には消費者自身が個別に判断する必要があります。判断の際は次の点を確認してください。
- 保存状態: 表示されている保存方法(直射日光を避ける、常温保存など)が守られていたか。車内や直射日光の当たる場所に置いていた場合は劣化が早まります。
- 容器の状態: 缶のふくらみ・さび・へこみ、レトルトパウチの膨張や液漏れがないか。容器に異常があるものは食べない。
- 開けたときの状態: 色、におい、味に異常がないか。少しでも違和感があればやめる。
なお、これは「期限切れでも大丈夫」と保証するものではありません。不安があるもの、乳幼児や体調のすぐれない家族に食べさせるものは、無理をしない判断が大切です。
「期限切れ備蓄」を出さない仕組みに変える
期限切れを見つけるたびに悩むのは、正直しんどいものです。根本的な解決策は、期限が切れる前に食べきる仕組みに変えること。それが、普段の食事で消費しながら買い足す「ローリングストック」です。
おすすめの運用は次の3つです。
- 期限の近い順に手前へ置く(先入れ先出し)
- 「あと1〜2か月」の食品は今月の献立に組み込む。レトルトカレーの日、缶詰アレンジの日を作れば、防災訓練を兼ねた食事になります
- 点検日を年に数回決める。3月1日・6月1日・9月1日・12月1日の「防災用品点検の日」が目安です
また、これから買い足す非常食は、5年・7年といった長期保存タイプを選ぶと入れ替え頻度を減らせます。
まとめ
- 備蓄食品の多くに付いているのは「賞味期限」=おいしさの目安
- 過ぎたら即アウトではないが、食べるかどうかは保存状態・容器・五感で個別に判断
- 一番良いのは「期限切れを出さない仕組み」への切り替え
とはいえ、家中の備蓄の期限を記憶だけで追いかけるのは無理があります。備蓄の期限管理には、期限が近づくと事前にお知らせが届くWebアプリ『備蓄めぐり』もどうぞ。「悩む前に食べて入れ替える」が習慣になります。
※本記事は食品表示制度に関する一般的な情報の解説であり、期限切れ食品を含む個別の食品の安全性を保証するものではありません。食べるかどうかの最終判断はご自身の責任で行い、少しでも不安がある場合は食べないでください。体調に不安のある方、乳幼児・高齢者・妊娠中の方が食べるものについては、特に慎重にご判断ください。
出典
- 消費者庁「食品の期限表示に関する情報」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/expiration_date/
- 消費者庁「食品期限表示に関する一般(消費者)向けの説明資料」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/exchange_of_opinions/pdf/131218_siryo1-2.pdf
- 東京都保健医療局「消費期限と賞味期限は、何が違うのでしょうか?【食品安全FAQ】」 https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/anzen/anzen/food_faq/hyoji/hyoji04
- 東京消防庁「防災の日と二百十日(防災用品点検の日)」 https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/learning/elib/qa/qa_59.html