趣味でときどきキャンプに行きます。道具を並べてみると、停電や断水のときに使えそうなものが、思ったより多いことに気づきました。

ただし先に断っておくと、私はこれらの道具を災害で使ったことはありません。 キャンプと、ふだんの家での使い方から分かったことを書きます。公的な目安と、私の実感は分けて書くようにします。

先に、火を使う道具についての注意

15点の中には、焚き火台やカセットこんろ、燃料を使うランタンといった火を使う道具が含まれます。

日本ガス石油機器工業会は、カセットこんろについて「テント内ではガスランタン、アウトドア用こんろ、カセットこんろなどを使用しないでください」「テントや車内などで使用すると、一酸化炭素(CO)中毒や酸欠になる場合があります」と案内しています。

焚き火台や燃料式のランタンは、屋内・テント内・車内では使用しません。

カセットこんろも、テント内・車内では使用せず、屋外でも狭い空間では換気に注意が必要です。一方で、農林水産省はライフラインが止まったときの加熱手段としてカセットこんろを挙げています。屋内で使う場合は、十分に換気し、可燃物との距離、対応するボンベ、製品の取扱説明書を確認してください。この記事では、明かりについてもLEDのものと燃料を使うものを分けて書きます。

持っている15点

テント、焚き火台(折りたたみ)、焚き火シート、焚き火用グローブ、ファイアテーブル、カセットこんろ、寝袋、コット、マット、折りたたみ式のチェア、クーラーボックス、シェラカップ、ランタン、LEDランタン、ヘッドライト。

どれも数年使っていますが、いまのところ1つも壊れていません。ただし購入時期は記録しておらず、使用回数や使ったときの気温も測っていません。 ここは「まだ壊れていない」という以上のことは言えないので、耐久性の話はしません。

ふだん家でも使う道具から分かったこと

並べて気づいたのは、しまい込んでいる道具より、家でもふだん使っている道具のほうが、使い方や状態を自分で確認しやすいということです。

  • カセットこんろは、家で鍋や焼肉に使っています。だから使い方に迷いませんし、ボンベの在庫も自然に回っています
  • 寝袋は、寒い日に家で使うことがあります。広げ方も、どれくらい暖かいかも体で分かっています
  • クーラーボックスは、冷凍食品を買いだめするときに持って行き、中に入れて帰ります。保冷力の感覚がつかめています

これは「非常食は食べ慣れたものを、日常の中で回す」というローリングストックの考え方と近いと感じました。

ただし、日常で使えることと、災害時に安全に使えることは別です。 被災時は場所も、換気の状態も、気温も、体調も違います。災害時に安全に使えるか、必要な量を満たすかは、道具・使う場所・人数・季節ごとに別の確認が必要です。

使いにくかったもの:単1電池のLEDランタン

正直に書くと、LEDランタンは使い勝手が悪いと感じています。理由は単1電池が必要なことです。わが家では単1をふだん置いていないので、キャンプのたびに買い足しになります。

これは防災でも同じ問題になりそうです。わが家の場合、停電のときにすぐ手に取れるのは、リモコンや時計から抜いた単3・単4が中心です。単1でしか動かない道具は、いざという時に電池が見つからないかもしれません。

単3を単1のサイズにする変換スペーサーもありますが、安易に勧められるものではありませんでした。 メーカーの案内を読むと、自社の充電池専用で乾電池には使えないもの、単1電池と同じ容量にはならないものがあり、機器によって使えない場合もあるためです(製品ごとに条件が違うため、ここでは特定の製品名は挙げません)。

使うのであれば、ランタンとスペーサーの両方の取扱説明書を確認し、指定外の電池や、新旧・種類の違う電池を混ぜて使わないでください。非常用には、機器が指定する単1電池そのものを用意しておく方法もあります。

同じ明かりでも、LEDのヘッドライトは両手が空くので、暗い中で作業するときに向いています。こちらは単3・単4で動くものが多く、電池を用意しやすいと感じています。

意外と防災向きだったもの:コットとマット

コット(簡易ベッド)にマットを重ねると、かなり快適に眠れます。 地面の冷たさと硬さが直接伝わらないからです。

ただしこれはキャンプでの、私の場合の感想です。避難所へ持ち込めるかは、場所や通路の確保もあるため、運営される方の案内に従ってください。やむを得ず車内で過ごす場合は、長時間同じ姿勢を避けるなど、体調管理が別に必要になります。

この記事では、災害時の保温性や疲労の回復効果は確認していません。

公的な目安と照らし合わせる

農林水産省は、災害時の熱源について「1人/1週間当たり、カセットボンベ約6本の備蓄が必要となります」と示しています。

キャンプ用のカセットこんろが対応機種であれば、熱源の候補になります。ただしこんろを持っているだけでは、この目安を満たしたことにはなりません。 家族の人数に合わせて、実際の本数と使用期限を確認してください。同じガイドは、ボンベ約7年・こんろ約10年という期限の注意も併記しています。対応するボンベや安全な使い方は、こんろの取扱説明書に従ってください。

停電時の冷蔵庫の扱い(扉を開けない、長引くときだけ保冷に切り替える)や、単1電池の変換については、それぞれ別の記事で公的資料をもとに整理しています。

まとめ:備えを見直す入口になった

キャンプに行くたびに、火を使い、暗い中で明かりをつけ、硬い地面で眠っています。これは防災の練習の一部になり得るのかもしれないと、今回並べてみて思いました。

道具を防災用に買い足す前に、いま持っているものを「家でも使っているか」「電池は何が要るか」「安全に使える場所はどこか」の目で見直す。少なくとも私にとっては、備えを見直す入口になりました。


出典

  • 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」熱源を確保しよう(「1人/1週間当たり、カセットボンベ約6本の備蓄が必要となります」の記載。2026年9月4日 確認) maff.go.jp
  • 一般社団法人日本ガス石油機器工業会「カセットこんろ・カセットボンベの安全な使い方」(「テント内ではガスランタン、アウトドア用こんろ、カセットこんろなどを使用しないでください」「テントや車内などで使用すると、一酸化炭素(CO)中毒や酸欠になる場合があります」の記載。2026年9月5日 確認) jgka.or.jp
  • ※ 変換スペーサーの制限(充電池専用のものがある、単1電池と同じ容量にはならない、機器によって使えない場合がある)は、メーカーの案内で確認しました。ただし製品ごとに条件が異なり、参照したページが機械から安定して開けなかったため、特定のURLは示していません。 お使いになる際は、必ずお手元の製品の取扱説明書をご確認ください。
  • ※ 道具15点の使い勝手・「壊れていない」・単1電池が不便・コットとマットが快適、といった記述は、運営者(Tchan)がキャンプと自宅で実際に使った実感です。災害時に使用した経験ではありません。耐久性や保温性を測定したものでもないため、数値では示していません。