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災害は在宅中に起きるとは限りません。通勤中、買い物中、旅行中——車で移動している時に被災すれば、車が数時間〜一晩の避難場所になります。トランクに最低限の防災グッズを積んでおくことは、外出の多い人ほど効果の大きい備えです。
ただし、車載備蓄には家の備蓄にはない大敵がいます。夏の車内の高温です。この記事では「積んでおくべきもの」と「積んではいけないもの」をセットで整理します。
真夏の車内は50℃を超える
JAFが2012年8月、気温35度の晴天時にミニバンを正午から4時間測定した試験では、対策なしの黒い車で車内最高57℃、白い車で最高52℃に達しました。ダッシュボード付近は79℃という値も記録されています。車種・色・天候・場所によって温度は変わりますが、短時間でも危険な高温になりうるということです。
つまり車内は、家の押し入れとはまったく別の保存環境です。「家の非常食を車にも置いておこう」という素直な発想が、ここでは危険につながることがあります。
ただし、浸水・津波・土砂災害・火災などの危険がある場所では、車内にとどまらず、自治体や現地の案内に従って安全な場所へ避難してください。また、暑い時期は短時間でも人や動物を車内に残してはいけません。
夏の車内に置いてはいけないもの
- 乾電池: 高温で液漏れ・破裂のおそれがあるとメーカーが注意しています。ライトなどの電池式用品自体は車載しておき、夏場は電池を持ち歩くか、取扱説明書の保存条件に従ってこまめに点検してください
- モバイルバッテリー・スマホ: リチウムイオン電池は高温で発火の危険。車内放置は厳禁です
- ライター・スプレー缶(カセットボンベ含む): 破裂・引火の恐れ。車載しない
- アルコール消毒液: 引火しやすく、消防庁も直射日光の当たる場所や高温になる場所での保管を避けるよう案内しています
- 常温保存前提の非常食・ペットボトル飲料: ただちに危険ではなくても、品質劣化が早まります。表示された保存方法と、メーカーが示す保存温度を確認し、夏の車内保管に対応すると明記された製品を選びましょう。高温にさらされた後の品質が判断できないものは、飲食しないでください
車に積んでおきたいもの
高温に耐えるものを中心に、季節で入れ替えるのがコツです。
- 飲料水(劣化前提で定期交換。飲用は状態を確認してから)
- 耐高温をうたう車載用非常食
- 携帯トイレ(渋滞・通行止めでも活躍。車は個室になるので相性抜群)
- 毛布またはアルミブランケット、タオル
- 軍手・スニーカー(徒歩帰宅用。ヒール・サンダルでの長距離歩行は困難です)
- モバイルバッテリーは車載せず持ち歩き、車ではシガーソケット充電器を使う(停車中にエンジンをかける場合は、閉めきった車庫や、排気口が雪でふさがれる場所を避けてください)
- 紙の地図(スマホ圏外・電池切れ対策)
車載備蓄こそ「期限管理」が命
車の備蓄には、家の備蓄より厳しい事情があります。高温環境で劣化が早いのに、トランクの中身は普段まったく目に入らないことです。「3年前に積んだ水」がそのままになっている車は少なくありません。
おすすめは、季節の変わり目(特に夏の前後)に車載品を全部点検し、期限切れ・変形・液漏れ・保管条件を外れたものを交換する運用です。 車載品も家の備蓄と一緒に登録しておけば、期限が近い順に並ぶので、入れ替えどきのものが一目で分かります。車載品の期限管理には「備蓄めぐり」をどうぞ。
出典
- JAF「真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)」(2012年8月22日・23日、気温35度・晴れ、ミニバン5台を正午から4時間測定。車内最高温度は「対策なし(黒)」で57℃、「対策なし(白)」で52℃、ダッシュボード最高79℃と記載。2026年7月24日 確認) jaf.or.jp
- 消防庁「消毒用アルコールの安全な取扱いについて」(直射日光の当たる場所・高温になる場所を避けて保管するよう案内。2026年7月24日 確認) fdma.go.jp
- JAF「真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)」 jaf.or.jp
- JAF「車内に用意しておきたい防災用品とは?」 jaf.or.jp
- JAF「猛暑時のクルマに関する注意点」 jaf.or.jp