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「災害が起きたら避難所へ行く」。そう思い込んでいませんか。
実は、自宅に倒壊・焼損・浸水などの危険がなければ、そのまま自宅で生活を続ける「在宅避難」が、いま多くの自治体が勧める基本の避難スタイルです。この記事では、在宅避難ができる条件と、そのために必要な備えを整理します。
在宅避難とは? できる条件は?
在宅避難とは、災害時に自宅に倒壊や焼損、浸水などの危険性がない場合に、避難所へ行かず自宅で生活を送る方法です。判断の目安は次のとおりです。
- 自宅の建物に倒壊などの被害がないか
- 隣家の倒壊・火災などの影響を受けていないか
- 水害や土砂災害の危険がある場所ではないか(ハザードマップで事前確認)
逆にいえば、ハザードマップで浸水想定区域にある家や、危険が迫っている場合は、ためらわず避難所や安全な場所へ移動してください。在宅避難は「安全が確保できる場合」の選択肢です。
在宅避難のメリット
- 住み慣れた家で、普段に近い環境で過ごせるためストレスが少ない
- プライバシーが守られる
- ペットといつもどおり一緒にいられる
- 集団生活に比べ感染症のリスクを減らせる
特に乳幼児や高齢の家族、ペットがいる家庭にとって、避難所での集団生活の負担は小さくありません。「自宅が無事なら自宅で」は、家族を守る合理的な選択です。
ただし、命綱は「備蓄」
在宅避難には大前提があります。支援物資は避難所に優先的に届くため、在宅避難者は自分の備蓄で生活をつなぐ必要があるということです。
ここで、ライフラインが止まっている期間を甘く見ないことが大切です。復旧までにかかる時間は、災害の種類や地域、設備の壊れ方によって大きく変わります。そのうえで、内閣府が2025年12月に公表した首都直下地震の最新の被害想定を見てみます。
- 電気: 発災直後に約1,600万軒(52%)が停電。ただし1週間後には約69万軒(2%)まで戻るとされています
- 上下水道: 人材や資機材の不足、交通渋滞などにより、復旧に1か月以上を要するおそれ
- 都市ガス: 配管に損傷がなければ順次再開しますが、導管が被害を受けた場合は復旧までに1か月以上かかる場合も想定されています
電気は比較的早く戻る一方、水とガスは長引きうるという差があります。
つまり「数日で元どおり」とは限りません。内閣府は水や食料の備蓄について「最低3日間、推奨1週間」としています。在宅避難では支援物資が届きにくいことを考えると、まず3日分をそろえ、可能なら1週間分以上を目指すのが現実的です。
そろえるべきは食料と水だけではありません。
- 水: 飲料・調理用1人1日3リットル×人数×7日
- 食料: 主食+缶詰・レトルト+汁物で7日分
- 携帯トイレ: 断水すると水洗トイレは使えません。1人1日5回が目安
- カセットコンロ・ボンベ: 温かい食事は体力と気力の支えです
- 明かり・電池・モバイルバッテリー: 停電対策(詳しくは次回の記事で)
「わが家は何日もつか」を知っておく
在宅避難の成否は、被災してから分かるのでは遅すぎます。今のうちに「いまの備蓄で家族が何日もつのか」を把握しておきましょう。
家族構成を入れるだけで必要量と不足分を自動計算できる無料ツール「そなえ計算室」を用意しています。充足度がパーセントで出るので、わが家の在宅避難力の現在地が1分で分かります。ぜひ一度お試しください。
出典
- 目黒区「在宅避難とその備え」 city.meguro.tokyo.jp
- 内閣府 首都直下地震対策検討ワーキンググループ「首都直下地震の被害想定と対策について」(2025年12月公表・PDF) (41ページ「停電軒数 被災直後 約1,600万軒(52%)/被災1週間後 約69万軒(2%)」、 42ページ「被災した上下水道施設の復旧は…1か月以上を要するおそれがある」 「(都市ガス)…復旧までに1か月以上を要する場合も想定される」と記載。2026年7月24日 確認) bousai.go.jp
- 内閣府 防災情報のページ「特集 首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告)」(2013年公表。「最低3日間、推奨1週間」の水・食料等の備蓄 と記載。2026年7月23日 確認) bousai.go.jp
- 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」 maff.go.jp