災害は、家族がそろっている時に起きるとは限りません。平日の昼間なら、親は職場、子どもは学校や習い事。バラバラの場所で被災したときに備え、集合場所や連絡方法を事前に話し合っておくと、家族が再会するための手がかりになります。
夏休みは、子どもとゆっくり話せる貴重な期間です。今年は1時間だけ、「家族防災会議」を開いてみませんか。決めることは3つだけです。
決めごと1: 集合場所を2段階で決める
「どこかで会おう」では再会できません。具体的に2段階で決めます。
- 家族が落ち合う候補: 自宅を含め、家族全員が知っている場所を決める。ただし、自宅や候補地が安全かを自治体のハザードマップで災害の種類ごとに確認する
- 危険が迫ったときの避難先: 自治体が災害の種類ごとに指定する「指定緊急避難場所」を確認する。学校などにいる子どもは、施設の避難・引き渡しルールに従う
子どもと一緒に実際に歩いてみるのがおすすめです。「ブロック塀の横は通らない」「この橋が通れなかったらこっちの道」と、散歩がてら確認すれば、それ自体が防災訓練になります。ただし実際の災害時は、決めた集合場所へ無理に向かわず、自治体の避難情報とその場の安全を優先してください。予定した経路が危険なら、近づかないようにしましょう。
決めごと2: 連絡手段を決める——171を「練習」しておく
災害時は電話がつながりにくくなります。そこで覚えておきたいのが、NTTの災害用伝言ダイヤル「171」です。「171」にかけて自宅などの電話番号を入力すると、音声の伝言を残したり聞いたりできる、災害時専用の伝言板です。
ここで重要なお知らせ。171は毎月1日と15日に体験利用できます(このほか正月三が日、防災週間(8/30〜9/5)、防災とボランティア週間にも体験可能)。NTT東日本・NTT西日本の電話サービスからの録音・再生は通話料無料ですが、携帯電話など他社の電話からは通話料がかかる場合があります。契約している通信会社で確認してください。災害が発生した際は、体験利用できない場合があります。
8月1日と15日は夏休み中。「自宅の番号に伝言を残して、家族が外から聞いてみる」といった練習を、家族のイベントとしてやってみてください。一度体験しておくと、本番で操作を思い出す助けになります。子どもだけに任せず、複数の連絡手段も決めておきましょう。あわせて、災害時にどの電話番号へ安否を登録するかを家族で決め、市外局番から入力できるようにしておきましょう。災害時に登録できるのは、被災地の方などの固定電話・携帯電話・IP電話等の番号です。被災地外の番号は利用できない場合があります。
決めごと3: 子どもの「お守りセット」を作る
子ども自身が持てる、小さな備えを一緒に作ります。
- 緊急連絡先と集合場所を書いたカード(外から見えない場所に入れ、住所や家族全員の詳しい個人情報は書きすぎない。紛失時に備えて、記載内容は保護者が判断する)
- ホイッスル(閉じ込められた時に居場所を知らせる)
- 小さなライト
- 好きなお菓子を少し(不安な時の心の支えになります)
「自分の防災グッズを自分で選ぶ」経験は、子どもの防災意識をぐっと引き上げます。100円ショップでそろえるだけでも十分です。
会議の最後に: 家の備蓄を「見せる」
会議の締めくくりに、家の備蓄置き場を子どもに見せてください。「水はここ」「非常食はここ」「懐中電灯はここ」。親が不在の時に被災しても、子どもが自力で備蓄にたどり着けることが大切です。
そして、備蓄を見せたついでに親子で点検すれば一石二鳥です。「このレトルト、期限近いから今日の昼ごはんにしよう」——これも立派な防災訓練。わが家の備蓄が足りているかは「そなえ計算室」で子どもと一緒に計算でき、期限の管理は「備蓄めぐり」に記録しておけます。
出典
- NTT東日本「災害用伝言ダイヤル(171)体験利用のご案内」 ntt-east.co.jp
- NTT西日本「体験利用のご案内 災害用伝言ダイヤル(171)」 ntt-west.co.jp
- NTT東日本「災害用伝言ダイヤル(171)操作上の注意事項とお願い」 ntt-east.co.jp
- 内閣府 防災情報のページ「防災週間の期間について」(毎年8月30日から9月5日までと定める/昭和58年5月24日中央防災会議決定) bousai.go.jp
- 内閣府「避難場所に関すること」(指定緊急避難場所と指定避難所の違い) bousai.go.jp
- 政府広報オンライン「災害に事前に備える」 gov-online.go.jp