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毎年9月1日は「防災の日」。内閣府は、9月1日を含む1週間を「防災週間」とし、この期間に防災訓練や講演会などが全国的に実施されると案内しています。

とはいえ、地域の防災訓練に参加できる家庭ばかりではありません。そこで提案したいのが、家の中でできる「わが家の防災訓練」です。半日ほどで試せる組み合わせです。準備した備蓄が本当に使えるかを確かめる、実践的なメニューを4つ紹介します。

訓練1: 明かりを消して停電時の動きを試す(所要15〜30分)

備えの不足に気づきやすい訓練です。ただし、主幹ブレーカーは操作しないでください。 家全体の電源を切ると、在宅医療機器、冷蔵・冷凍品、防犯設備、給湯や通信の機器に影響が出ることがあり、復旧後に時刻や予約の設定が消える場合もあります。

かわりに、日没後に足元の安全を確保したうえで、照明とテレビを消して停電を想定し、ライト・ラジオ・モバイルバッテリーを実際に取り出してみましょう。

  • ライトは家族全員がすぐ手に取れたか
  • 部屋全体を照らせる明かりはあったか
  • 手回しラジオやモバイルバッテリーは機能したか

「懐中電灯がどこにあるか分からない」「電池が切れていた」「スマホの充電が20%しかない」——備えの穴は、この短い時間でも十分に見えてきます。

なお、真夏に冷房を止めて暑さを体験することは、訓練としては行わないでください。 冷暖房が必要な気温のときや、乳幼児・高齢者・体調に不安のある人が家にいるときは、動き回る訓練はせず、備品が使えるかの確認だけにとどめます。

訓練2: カセットコンロで夕食を作る(所要1時間)

停電体験とセットにすると効果的です。電気や都市ガスが止まった場面を想定して、カセットコンロと備蓄食品で1食を作ってみましょう。(カセットコンロはボンベのガスを使います)

使う前に、次の点を確かめてください。取扱説明書に従い、十分に換気できる場所で使います。こんろ全体を覆うような大きな鍋や鉄板を使ったり、2台以上を並べて使ったりしないでください。ボンベが過熱されて危険です。ボンベは説明書のとおりに正しく装着し、さびや変形、異音・異臭がないかも見ておきます。異常があれば点火せず、使用を中止してください。買い替えの目安は、こんろが約10年、ボンベが約7年とされています。

  • ボンベの残量は足りたか(1人1週間で約6本が目安とされています)
  • パックごはんを温めるのに、水と時間はどれくらいかかったか
  • 家族はその味を「また食べたい」と思ったか

ここで「これは非常時でも食べられない」と分かれば、それは大きな収穫です。備蓄は買った時点では机上の想定にすぎません。一度食べてみてはじめて、わが家の備蓄になります。

この訓練のために、専用の非常食をそろえる必要はありません。 食物アレルギーや家族の事情に配慮しながら、ふだん食べているレトルトカレー、缶詰、パックごはんなども候補にできます。ふだん食べているものが非常時にも食べられるかを確かめておくと、実際の役に立ちます。

そのうえで「試したら家族が誰も食べたがらなかった」「入れ替えの手間を減らしたい」という場合には、長期保存食を試す選択肢もあります。3日分がひとまとめになったセットは、何から選べばよいか分からないときの出発点になります。ただし一度に揃えると数千円かかるので、まず1〜2食ぶんを単品で試して、口に合うか確かめてからでも遅くありません。

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訓練3: 携帯トイレを1回使ってみる(所要10分)

後回しにされがちですが、使い方を先に知っておける訓練です。

災害時のトイレは、水や食料と並んで切実な問題になります。凝固剤がどのくらいで固まるのか、使用後の袋をどう縛り、どこに置くのか。一度使っておくと、使用手順と保管方法を落ち着いて確認できます。

あわせて、使用済みの袋を保管する場所(ふた付きのバケツなど)と、自治体の災害時のごみ出しルールも確認しておきましょう。

訓練4: 家族の連絡方法を試す(所要15分)

災害時は電話がつながりにくくなります。NTTの災害用伝言ダイヤル「171」は、毎月1日と15日のほか、防災週間(8月30日9時〜9月5日17時)などに体験利用できます。防災の日の9月1日は、まさにその体験利用期間にあたります。

通話料の扱いは利用している電話会社によって異なります。料金が気になる場合は、契約している通信事業者に確認してください。 また、災害が発生しているときは体験利用ができない場合があります。

  • どの電話番号をキーにするか、家族で統一する
  • 実際に伝言を録音し、別の家族が再生してみる
  • あわせて、集合場所と避難先を口に出して確認する

子どもと一緒にやっておくと、本番で使えるようになります。

なお、この4つのメニューは避難訓練の代わりではありません。別に、自治体のハザードマップで災害別の避難場所と避難経路を確認し、可能なら実際に歩いておきましょう。

訓練の締めくくりは「点検と補充」

一通りやると、たいてい何かしらの不足が見つかります。電池が切れていた、ボンベが足りない、水が思ったより少ない——不足が見つかったら、そのままにせず、翌日の買い物リストにしてしまいましょう。

不足の洗い出しには「そなえ計算室」が使えます。家族構成を入れると必要量が出て、いまある量を入力すれば不足分が一覧になり、印刷して買い物に持っていけます。訓練で気づいた穴を、その日のうちに埋めてしまうところまでが「わが家の防災訓練」です。


出典

  • 内閣府 防災情報のページ「『防災の日』及び『防災週間』について」(9月1日を含む1週間を防災週間とし、防災訓練等が全国的に実施される) bousai.go.jp
  • 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(7)」(カセットボンベ1人1週間あたり約6本の目安、ボンベ約7年・こんろ約10年の買い替え目安) maff.go.jp
  • 製品評価技術基盤機構(NITE)「カセットボンベの事故」(こんろ全体を覆う鍋・鉄板の使用や2台以上を並べての使用は危険、正しい装着、経年劣化への注意) nite.go.jp
  • 総務省消防庁「家庭の防災会議」(避難場所・避難路を家族で確認する) fdma.go.jp
  • NTT東日本「災害用伝言ダイヤル(171)Q&A」(毎月1日・15日、防災週間8月30日9時〜9月5日17時などに体験利用が可能) ntt-east.co.jp