竜巻というと、アメリカの大平原を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれど日本でも、竜巻は毎年のように起きていて、住宅地が大きな被害を受けたこともあります。

しかも、いちばん多いのは真夏ではありません。

月別でいちばん多いのは9月

政府広報オンラインは、気象庁の突風データベースをもとに、1991年から2025年に確認された竜巻の件数を月別に示しています。それによると、9月が134件で最も多く、8月の87件、10月の81件が続きます。

特に、積乱雲が発達しやすい夏から秋にかけて、発生確認数が多くなっています

ただし、1月でも17件、12月でも31件あり、季節を問わず起きていることも同じ資料に書かれています。台風や寒冷前線、低気圧に伴って発生するためです。

竜巻の被害は、幅数十メートルから数百メートルの狭い範囲に集中します。時速90キロメートルで移動したものもあるとされ、短い時間で通り過ぎていきます。気づいてから逃げる時間は、長くありません。

「竜巻注意情報」は名前が変わりました

気象庁は、竜巻などの激しい突風が起きやすい状況になると、段階を追って情報を出します。

  • 半日〜1日ほど前: 気象情報の中で「竜巻などの激しい突風に注意」と呼びかける
  • 数時間前: 雷注意報に「竜巻」と書き添える
  • 竜巻などの激しい突風が今まさに発生しやすい気象状況になったとき: 気象防災速報(竜巻注意)を出す

この最後の情報は、長く「竜巻注意情報」と呼ばれてきましたが、令和8年(2026年)5月に「気象防災速報(竜巻注意/竜巻目撃)」へ名前が変わりました。 信頼性の高い目撃情報が得られ、さらなる竜巻などが発生するおそれが高まった場合には、「気象防災速報(竜巻目撃)」が出されます。

気象庁によると、発表から1時間程度は、竜巻などの激しい突風に注意が必要です。

出たら、外へ見に行かずに確かめる

ここが、いちばん誤解されやすいところです。

この情報は、天気予報と同じ地域の単位(一次細分区域)で出されます。区域のすべてで同時に竜巻が起きるという意味ではなく、危険は局地的です。ただし、発生する場所を正確に絞り込めるわけではありません。 そこで気象庁は、10km四方ごとに10分おきに更新される「竜巻ナウキャスト」と合わせて使うよう案内しています。政府広報オンラインは、こう書いています。

「竜巻注意情報」が発表されたからといってすぐに避難が必要なわけではありません。「竜巻注意情報」が発表されたら、まず空を見てください。

ただし、空を見るために屋外へ出たり、窓に近づいたりはしないでください。 今いる安全な場所から、空の変化と竜巻ナウキャストをこまめに確かめます。気象庁仙台管区気象台の教材も、竜巻の写真を撮ろうと窓に近づくのは大変危険だとしています。

見るのは、次のような変化です。

  • 真っ黒い雲が近づき、まわりが急に暗くなる
  • 雷の音が聞こえる、雷が見える
  • ひやっとした冷たい風が吹き出す
  • 大粒の雨やひょうが降り出す

こうした変化があれば、積乱雲が近づいています。漏斗状の雲が見える、ゴーという音がするなど、竜巻が迫っている特徴があればなおさらです。観察や撮影はせず、ただちに頑丈な建物へ移るなどの安全確保が必要です。

身を守る行動

竜巻がこわいのは、巻き上げられた瓦や看板が猛スピードで飛んでくること、そして建物そのものが壊されることです。そのため、身を守る行動は「飛んでくるものと、壊れる建物から離れる」ことが中心になります。政府広報オンラインと気象庁の教材が挙げているのは次のとおりです。

  • 頑丈な建物の中に早めに避難する
  • 物置や車庫、プレハブは建物ごと壊される危険があるので離れる
  • 窓ガラスや外壁から遠く離れる
  • 余裕があるうちなら雨戸やカーテンを閉める。すでに竜巻が迫っているときは窓へ近づかず、窓や外壁から離れることを優先する
  • 1階または地下の、窓のない部屋に移る
  • 丈夫な机やテーブル、浴槽などの下に入る
  • 屋外で近くに建物がなければ、水路などくぼんだところに身を伏せる
  • 両腕で頭と首を守る

気象庁は、積乱雲による激しい現象は30分から1時間程度で弱まることが多いとして、安全な場所で過ぎ去るのを待つよう案内しています。

今日できること

家の中で逃げ込む場所を、ひとつ決めておいてください。1階か地下で、窓や外壁から離れた場所です。窓のないトイレ・浴室・廊下・納戸などが候補になりますが、浴室に窓がある家もあります。部屋の名前ではなく、実際の窓や外壁の位置で選び、そこで頭と首をどう守るか(浴槽や丈夫な机の下にもぐる、など)まで決めておきましょう。

いざというときに探していては、間に合いません。決めてあれば、空が急に暗くなったときに、迷わずそこへ向かえます。


出典

  • 政府広報オンライン「竜巻から身を守るために「竜巻注意情報」をご活用ください」(2026年2月25日掲載。1991〜2025年の月別の竜巻発生確認数〈9月134件・8月87件・10月81件・1月17件・12月31件〉、季節を問わず発生し夏から秋に多いこと、被害域の幅と時速90キロメートルで移動した例、発表されてもすぐ避難が必要なわけではなくまず空を見ること、積乱雲が近づく兆候4つ、飛散物の危険、竜巻から身を守るための行動7項目を確認。2026年9月23日 確認) 竜巻から身を守るために「竜巻注意情報」
  • 気象庁「竜巻から身を守るには」(「竜巻注意情報」が令和8年5月に「気象防災速報(竜巻注意/竜巻目撃)」に名称変更されたこと〈2026年9月23日 確認〉、竜巻が身近に迫ったときの特徴〈漏斗状の雲、ゴーという音など〉を確認。2026年10月2日 確認) 竜巻から身を守るには
  • 気象庁「気象防災速報(竜巻注意/竜巻目撃)・竜巻ナウキャスト」(速報は天気予報と同じ一次細分区域を対象に発表されること、竜巻目撃は目撃情報が得られてさらなる竜巻等が発生するおそれが高まった場合に発表されること、竜巻ナウキャストは10km四方の領域ごとの情報であることを確認。2026年10月2日 確認) 気象防災速報(竜巻注意/…撃)・竜巻ナウキャスト
  • 気象庁仙台管区気象台「竜巻の正体と身のまもり方」(家の中では窓や外壁から離れ、1階または地下の窓のない部屋へ逃げ込み、浴槽やテーブルの下で頭や首を守ること、雨戸やカーテンは余裕があれば閉め、竜巻が間近に迫っている場合は窓ガラスや外壁から離れることを優先し、写真を撮ろうと窓に近づくのは大変危険であることを確認。2026年10月2日 確認) 竜巻の正体と身のまもり方
  • 気象庁「段階的に発表する気象情報の利用」(予告的な気象解説情報は通常半日〜1日程度前、雷注意報は数時間前に「竜巻」を明記、気象防災速報〈竜巻注意/竜巻目撃〉は目撃情報でも発表され、発表から1時間程度は注意が必要であること〈2026年9月23日 確認〉、竜巻ナウキャストは10分ごとに提供され、速報と合わせて使うことで発生の可能性が高い地域を絞り込めることを確認。2026年10月2日 確認) 段階的に発表する気象情報の利用
  • 気象庁「急な大雨や雷・竜巻から身を守るために〜積乱雲が近づいてきたら〜」(単独の積乱雲による激しい現象は30分から1時間程度で弱まることが多く、安全な場所で過ぎ去るのを待つことを確認。2026年9月23日 確認) 急な大雨や雷・竜巻から身…乱雲が近づいてきたら〜