家の中の備えというと、家具を固定する、食料と水を置いておく、といったところまでで一区切りにしてしまいがちです。けれど、家具を止めても、窓はそのままということが少なくありません。
窓ガラスの飛散防止は、地震や台風でガラスが割れたとき、破片が室内に飛び散る被害を減らすための備えです。地震の備えにも、台風の備えにも、同じ対策が出てきます。ただし、ガラスが割れないことや、窓辺にいて安全であることを保証するものではありません。
地震の備えの一覧に、窓は入っている
東京消防庁は「地震に対する10の備え」の中で、家具類の転倒・落下・移動防止のポイントとして、「サイドボード、食器戸棚、窓などのガラスが飛散しないようにしておく」ことを挙げています。具体的な固定方法の項目にも、「ガラスには、ガラス飛散防止フィルムを張る」と書かれています。
同じページの「けがの防止対策をしておこう」には、食器棚や窓ガラスなどにはガラスの飛散防止措置をしておくことに加えて、停電に備えて懐中電灯をすぐ使える場所に置いておくこと、散乱物でケガをしないようにスリッパやスニーカーなどを身近に準備しておくことが並んでいます。
ページの中でこれらの理由を結びつけて説明しているわけではありませんが、一緒に備えておくと、停電時や散乱物がある中でのけがを減らす助けになります。暗い中を、足元にガラスが散った床の上で動く——地震の直後には、そういう場面も起こりえます。飛散防止は、割れないようにする対策というより、割れたあとに動ける床を残すための対策だと考えるほうが近いと思います。
台風の備えでも、同じ場所が出てくる
気象庁の宮古島地方気象台は「台風への備え 5箇条」として、家の外の備え、家の中の備え、避難場所の確認などを挙げています。その「家の中の備えを行う」の項目に、「室内からの安全対策をしましょう(窓ガラスに飛散防止フィルムやテープなどを貼ったり、カーテンやブラインドを下ろすなど)」とあります。
家の外については、「大雨が降る前、風が強くなる前に済ませましょう」としたうえで、「窓や雨戸はしっかりと鍵をかけ、必要に応じて補強しましょう」、風で飛ばされそうな物は固定するか屋内へ格納しましょう、と書かれています。台風では、強風で飛ばされた物が窓に当たり、ガラスが割れることがあります。植木鉢や物干し竿など、風で飛ばされそうな物は、風が強くなる前に固定するか屋内へ移しましょう。隣家のためであると同時に、自分の家の窓のためでもあります。
間に合わなかったときの、急場の手当て
事前の対策が間に合わないこともあります。警視庁の災害対策課は「とっておきのガラス飛散防止方法」として、「急に暴風雨が強まり、家の内側から窓ガラスの飛散防止措置をとることになったときの方法」を紹介しています。段ボールやカーテンを利用する方法です。
ただし、同じページにはあくまで急遽の措置ですとはっきり書かれています。そのうえで、事前に飛散防止フィルムを貼っておくこと、台風が接近しているときなどは早めに外側から対策しておくことをすすめています。
雨戸やシャッター、屋外の飛びやすい物などの対策は、雨や風が強くなる前に済ませます。雨風が強まってからは外へ出て作業せず、気象情報や避難情報に従ってください。
段ボールやカーテンを使う方法は、窓に安全に近づける場合に限る急場の措置です。すでに雨風が強い、ガラスがひび割れている、窓が大きく揺れている、飛来物が当たっている場合は作業をせず、窓から離れ、できれば窓のない部屋へ移動してください。
急場の手当てがあると知っておくのは心強いことですが、それを当てにして事前の対策を省くのは、順番が逆ということだと思います。
今日、確かめておけること
- 寝室と、寝ている場所から玄関までの通り道に、大きな窓がないか
- その窓のそばに、頭より高い位置のガラス製品を置いていないか
- 雨戸やシャッターがある窓は、実際に閉められるか(動かしていないと固まっていることがあります)
- 停電した暗い中で、スリッパや靴をすぐ手に取れるか
一度に対策できない場合は、寝室、避難経路に面する窓、雨戸やシャッターがない大きな窓などから優先順位を付けます。ただし、ほかの窓が安全になるわけではありません。台風が予想されるときは、風が強くなる前に、各窓の雨戸・シャッター、施錠、周囲の飛びやすい物も確認してください。
フィルムは、窓ガラスの種類に対応した製品を選び、取扱説明どおりに施工します。ガラスの種類が分からない場合や大きな窓は、販売元や窓・ガラスの事業者に確認してください。
窓は、家の中でいちばん「外」に近い場所です。地震でも台風でも同じ場所が弱くなるのなら、備えを考えるときも、窓をひとつの入り口にできます。
出典
- 東京消防庁「地震に対する10の備え」(家具類の転倒・落下・移動防止のポイントとして窓などのガラスの飛散防止、具体的な固定方法としてガラス飛散防止フィルム、けがの防止対策として飛散防止措置・懐中電灯・スリッパの準備を確認。2026-09-18閲覧) 地震に対する10の備え
- 気象庁 宮古島地方気象台「台風への備え」(台風への備え5箇条のうち、家の外の備えは大雨が降る前・風が強くなる前に済ませること、家の外の備えとして窓や雨戸の施錠・補強、家の中の備えとして窓ガラスへの飛散防止フィルムやテープ、カーテンやブラインドを下ろすことを確認。2026-09-27閲覧) 気象庁 宮古島地方気象台「台風への備え」
- 警視庁「とっておきのガラス飛散防止方法」(家の内側から段ボールやカーテンで飛散防止措置をとる方法、それがあくまで急遽の措置であること、事前の飛散防止フィルムと早めの外側からの対策をすすめていることを確認。2026-09-18閲覧) とっておきのガラス飛散防止方法