地震の備えというと、水や食料、持ち出し袋を思い浮かべる方が多いと思います。けれど、揺れた瞬間にいる場所の備えは、それとは別に考える必要があります。なかでも見落とされやすいのが寝室です。

就寝中に地震が起きると、夜間や停電時は周りが見えにくく、倒れた家具や落ちてきた物、割れたガラスに気づきにくいことがあります。寝室では、眠っている位置に物が倒れたり落ちたりしてこないかと、起き上がった後に部屋から出る道の両方を、前もって確かめておくことが大切です。

家具は「必ず倒れるもの」と考える

政府広報オンラインは、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震などで、多くの方が倒れてきた家具の下敷きになって亡くなったり、大けがをしたりしたことを挙げています。そのうえで、大地震が発生したときには「家具は必ず倒れるもの」と考えて、防災対策を講じておく必要がある、としています。

寝室について、同じページの案内ははっきりしています。

  • 寝室や子ども部屋には、できるだけ家具を置かない
  • 置く場合も、なるべく背の低い家具にする
  • 倒れたときに出入り口をふさがないよう、家具の向きや配置を工夫する

眠っている場所の上に倒れてこないか、という目線に加えて、倒れた家具で部屋から出られなくならないかという目線も要る、ということです。寝る位置から出入り口までのあいだに、背の高い家具がないかを一度見てみてください。

家具のほかにも、危ないものがある

同じページは、家具のほかにも、窓ガラスやペンダント式の照明、テレビ、電子レンジ・オーブンなど、家の中には凶器になるものがたくさんあるとしています。そして、部屋ごとにどんな危険があるかを考えて対策しておくよう呼びかけています。

寝室なら、枕の真上にある照明、ベッドの横の窓、棚の上に置いた物などが思い当たるかもしれません。寝ている自分の頭の上と横に、何があるか。 それを確かめるだけでも、見えてくるものがあります。

枕元に置く3つのもの

政府広報オンラインは、手の届くところに、懐中電灯やスリッパ、ホイッスルを備えておくよう案内しています。それぞれの役割は、次のように説明されています。

  • 懐中電灯: 停電による暗闇を歩くときの必需品
  • スリッパ: 割れたガラスなどの破片で足をけがするのを防ぐ
  • ホイッスル: 建物や家具の下敷きになったときに救助を求めるためのもの。少しの息でも音が出るので、救助の際の目安になる

政府広報オンラインの別のページは、床にガラスなどの破片が散らばっていたら、底の厚いスリッパや靴を履いて安全な場所に移動するよう案内しています。薄い室内履きで足りると思わず、底の厚さも見ておくとよさそうです。

懐中電灯とスリッパは、揺れがおさまった後に、周りと足もとの安全を確かめて移動するときに役立ちます。ホイッスルは、家具などの下敷きになったり閉じ込められたりしたときに、助けを求めるためのものです。使う時機は同じとは限りません。押し入れの持ち出し袋に入っていても、暗い中でそこまでたどり着けなければ役に立ちません。 だから置き場所が「手の届くところ」なのだと思います。

ただし、強い揺れの最中に、これらを取りに行くことはしないでください。 同じページは、寝室で地震に遭ったら、枕や布団などで頭を守り、倒れてくる物のない位置に移るよう案内しています。3つのものを使うのは、揺れがおさまって、安全を確かめてからです。置き場所も、寝床の近くで、揺れで飛んだり落ちたりしにくいところを選んでください。

今日できること

買い足すものがあっても、まず確かめるのは置き場所です。

  1. 寝る位置に倒れてくる家具、落ちてくる物がないか
  2. 寝る位置から出入り口まで、倒れた家具にふさがれないか
  3. 懐中電灯・スリッパ・ホイッスルが、寝床の近くで、揺れで飛んだり落ちたりせず、揺れがおさまった後に安全に取れるところにあるか

家具の固定のしかたについては、総務省消防庁が、壁や家具の種類に応じた方法や配置の工夫を案内しています。壁への固定が難しい場合も、消防庁の案内や器具の説明書を確かめて、家具と住まいに合う方法を考えてみてください。置く場所や向きを変えることは被害を減らす助けになりますが、固定の代わりになるとは限りません。賃貸住宅では管理する方に確認し、無理な工事はしないでください。


出典

  • 政府広報オンライン「災害時に命を守る一人ひとりの防災対策」(阪神・淡路大震災や新潟県中越地震などで多くのかたが倒れてきた家具の下敷きになって亡くなったり大けがをしたりしたこと、大地震が発生したときは「家具は必ず倒れるもの」と考えて防災対策を講じておく必要があること、寝室やこども部屋などにはできるだけ家具を置かず、置く場合はなるべく背の低い家具にし、出入口をふさがないよう向きや配置を工夫すること、手の届くところに懐中電灯やスリッパ、ホイッスルを備えておくこと(以上、2026年9月30日 確認)。家具のほかにも窓ガラスやペンダント式の照明、テレビ、電子レンジ・オーブンなど家の中には凶器になるものがたくさんあること、部屋ごとの危険を考えて対策しておくこと、懐中電灯は停電による暗闇を歩くときの必需品、スリッパは割れたガラスなどの破片で足をけがするのを防ぐ、ホイッスルは下敷きになった場合に救助を求めるためのもので少しの息でも音が出るとの説明(2026年9月24日 確認)を確認) 災害時に命を守る一人ひとりの防災対策
  • 政府広報オンライン「防災特集 ACTION02 発災時の行動」(寝室で地震に遭ったら、窓ガラスの破片や照明器具を避けるため枕や布団などで頭を保護し、スタンドや鏡台などが倒れてこない位置に移動すること、床にガラス・陶器などの破片が散乱していたら底の厚いスリッパや靴を履いて安全な場所に移動することを確認。2026年9月30日 確認) 防災特集 ACTION02 発災時の行動
  • 総務省消防庁「地震による家具の転倒を防ぐには あなたが守る-家族の安全」(家具の固定方法などを案内する消防庁のページであること、目次に壁の桟と家具の桟をL型金物でとめる方法や家具の配置の工夫などの項目があることを確認。2026年9月26日 確認) 地震による家具の転倒を防…なたが守る-家族の安全