119番は、誰でも番号を知っています。けれど、実際にかけたことがある人は多くありません。
いざというときは、気が動転しています。どんなことを聞かれそうかを、落ち着いているうちに一度だけ確かめておきましょう。
聞かれることの例
総務省消防庁は「119番の正しいかけ方」として、火事を通報するときのやりとりの例を示しています。例では、電話がつながると、まずこう確認されます。
119番、消防署です。火事ですか、救急ですか。
ただし、これはあくまで例です。実際の質問や順番は、消防本部や、火事か救急かといった状況によって変わります。 指令員の質問をよく聞いて、分かる範囲でひとつずつ答えてください。
主に次のようなことを聞かれます。
- 共通: 火事か救急か、消防車・救急車が向かう場所、通報している人の名前と連絡先
- 火事のとき: 何が燃えているか
- 救急のとき: 誰がどうしたか、具合の悪い人のおおよその年齢、症状、分かる範囲で意識や呼吸があるか
消防庁の冊子では、年齢が分からなければ「60代」のように、おおよそでかまわないとされています。答えられる範囲で答えれば大丈夫です。また、緊急性が高い場合は、すべてを聞き終える前でも救急車が出動すると案内されています。
住所は「市町村名から」
消防庁が救急車の使い方をまとめた冊子では、119番通報をしたら、まず「救急です」と伝えるよう書かれています。そして、住所についてはこうあります。
住所は、必ず、市町村名から伝えてください。
いざというときに迷わないよう、「市町村名から言う」と決めておくのがいちばん確実です。
住所が分からないときは、近くの大きな建物や交差点など、目印になるものを伝えるよう、同じ冊子に書かれています。東京消防庁は、屋外なら電柱や自動販売機の住所表示も手がかりになると案内しています。
通報中から到着まで、電話を使えるようにしておく
火事や交通事故などのときは、まず自分の安全を確保してください。東京消防庁は、119番は落ち着いて安全な場所からかけること、車の運転中なら安全な場所にいったん止まってからかけることを呼びかけています。消防庁の火事の通報例でも、最後に「早く外に出てください」と声がかけられています。
119番がつながりにくいときも、つながるまでは自分から電話を切らないよう、東京消防庁は呼びかけています。一度切ると、つながる順番が後回しになるおそれがあるためです。
つながったあとは、応急手当が必要な場合に、通信指令員などから応急手当のお願いと、電話口での指導が行われることがあると、消防庁の冊子に書かれています。指令員の質問と案内に従ってください。
電話を終えたあとも、役目は続きます。消防庁は、到着までに場所の確認などで問い合わせることがあるとしています。東京消防庁も、救急隊から電話をかけることがあるので、到着まで電源を切らないよう呼びかけています。救急車や消防車が着くまで、着信に出られる状態にしておきましょう。
携帯電話から119番につながらないとき
通信・通話の障害で、携帯電話などから119番がつながりにくいとき、消防庁は次の対応を挙げています。
- 公衆電話を使う
- 近所の方やお店に、119番通報をお願いする
- 消防署や出張所に直接知らせに行く
ただし、危険な場所から無理に移動しないでください。 消防署へ向かうのは、自分の安全を確保できる場合に限ります。
また消防庁は、つながるかどうかを確かめるための119番通報は控えるよう求めています。
公衆電話の場所は、NTT東日本・西日本のホームページで調べられると消防庁が案内しています。家の近くの公衆電話がどこにあるか、一度見ておくと安心です。
呼ぶか迷ったら「#7119」。迷わないときは119番
「救急車を呼ぶほどなのか分からない」ということもあります。そんなときの相談窓口が、救急安心センター事業「#7119」です。
消防庁によると、#7119では、医師・看護師・救急救命士などから電話でアドバイスを受けられます。緊急性が高いと判断されれば119番への転送などの対応をし、そうでなければ受診できる医療機関や受診のタイミングを案内します。
#7119は、判断に迷ったときのための窓口です。 消防庁の冊子は、意識がない、急な息切れや呼吸困難など、すぐに119番をしてほしい症状を挙げています。明らかに緊急なとき、緊急性が高いと感じるときは、#7119や#8000を待たずに119番へ通報してください。
#7119を実施しているのは一部の地域です。消防庁のページでは、全国42地域で実施していると書かれています(2026年10月2日確認。地域ごとに別の番号の場合もあります)。子どもの急な病気については、主に休日・夜間の「子ども医療電話相談(#8000)」があり、都道府県ごとの実施時間は厚生労働省のページにまとめられています。お住まいの地域で使えるか、いつ使えるかは、平時のうちに消防庁・厚生労働省のページや自治体の案内で確かめておきましょう。
声で通報するのが難しい人は
消防庁によると、音声での119番通報が難しい聴覚・言語機能に障害のある人のために、「NET119緊急通報システム」があります。スマートフォンなどから通報でき、使うには事前の登録が必要で、申し込み方法は地域の消防本部に問い合わせるよう案内されています。
今日できること
家族で「うちの住所を、市町村名から言えるか」を、一度声に出して確かめてみてください。
子どもや高齢の家族が、ひとりで119番をかけることもありえます。市町村名から書いた住所と、近くの目印をメモしておくのもひとつの方法です。メモは、家族がすぐ見られて、外や来客からは見えない場所に置き、必要以上のことは書かないようにしましょう。
出典
- 総務省消防庁「119番の正しいかけ方」(火事を通報するときのやりとりの例として、消防署から「火事ですか、救急ですか」と確認され、名前と住所、近くの目標、使用中の電話番号、何が燃えているかを聞かれ、最後に早く外に出るよう声がかけられることを確認。2026年10月2日 確認) 119番の正しいかけ方
- 総務省消防庁「救急車を上手に使いましょう ~救急車 必要なのはどんなとき?~」(119番通報ではまず「救急です」と伝えること、住所は必ず市町村名から伝えること、分からないときは大きな建物や交差点など目印を伝えること、誰がどうしたか・意識や呼吸の有無・おおよその年齢・通報者の名前と通報後も連絡できる電話番号を伝えること、緊急性が高い場合はすべて聞き終える前でも救急車が出動すること、通信指令員等から応急手当の口頭指導を行う場合があること、すぐに119番をしてほしい症状、判断に迷ったときの救急相談窓口〈#7119等〉と子ども医療電話相談〈#8000〉を確認。2026年10月2日 確認) 救急車を上手に使いましょ…要なのはどんなとき?~
- 総務省消防庁「119番緊急通報」(通信・通話障害で携帯電話等から119番がつながりにくい場合は公衆電話の利用、近隣の方やお店への通報依頼、消防署所への駆け込みを求めていること、公衆電話の場所をNTT東日本・西日本のホームページで案内していること、つながるか確かめるための119番通報は控えるよう求めていること、必ず聞くこととして向かう住所と通報者の名前・連絡先を挙げ、到着までに場所の確認等で問い合わせることがあるとしていることを確認。2026年10月2日 確認) 119番緊急通報
- 総務省消防庁「救急安心センター事業(♯7119)ってナニ?」(判断に迷ったときの相談窓口であること、医師・看護師・救急救命士から電話で助言を受けられること、緊急性が高い場合は119番への転送等を行い、そうでない場合は受診可能な医療機関や受診のタイミングを案内すること、全国42地域で実施していること、地域ごとに定められた番号の場合があることを確認。2026年10月2日 確認) 救急安心センター事業(♯7119)ってナニ?
- 総務省消防庁「NET119緊急通報システム」(音声による119番通報が困難な聴覚・言語機能障害者のための仕組みであること、利用には事前登録が必要で、申請方法は地域を管轄する消防本部へ問い合わせるよう案内していることを確認。2026年10月2日 確認) NET119緊急通報システム
- 東京消防庁「災害救急情報センター」(119番は落ち着いて安全な場所からかけること、火災と救急それぞれで伝えること、屋外で住所が分からないときの手がかり〈電柱や自動販売機の住所表示など〉、つながるまで自分から電話を切らないこと、119番通報後に口頭で応急手当の助言を行っていることを確認。2026年10月2日 確認) 災害救急情報センター
- 東京消防庁「119番通報の仕組み」(火災と救急の通報例、運転中は安全な場所に一旦停止してから通報すること、救急隊から電話をかける場合があるため到着まで電源を切らないことを確認。2026年10月2日 確認) 119番通報の仕組み
- 厚生労働省「子どもの症状は #8000」(休日・夜間の子どもの症状について小児科医師・看護師に電話で相談できること、都道府県別の実施時間を厚生労働省のページで案内していることを確認。2026年10月2日 確認) 子どもの症状は #8000